戸狩を観る

戸狩のホタル

戸狩の夜をやさしく照らすホタルの舞

美しい水と豊かな自然に包まれた戸狩は、知る人ぞ知るホタルの名所。
土地の標高差があるため、6月中旬から1ヶ月以上にわたって幻想的なホタルの舞が楽しめる貴重な場所です。

戸狩の初夏を彩り、観る者の心を安らかにするホタルの光

ホタルが放つ不規則な光には、人の心を穏やかにする不思議な癒しの効果があると言われています。また、美しい自然と清らかな水に恵まれた場所にしか生息しないホタルは、周囲の自然環境自体にも人の心を和らげる効果があるようにも思います。ここ戸狩は、知る人ぞ知るホタルの生息地。千曲川河畔から山の上まで、標高差を生かして、成虫の寿命が7~
10日ほどのホタルの鑑賞が1カ月以上楽しめるのが大きな特徴です。6月中旬ともなると、一番標高が低い、つまり最も気温が暖かい千曲川の東側、菜の花公園一帯にホタルが現れ始めます。それを皮切りに、徐々に田んぼの畦や民宿エリア内でも観られるようになり、標高の高い戸狩温泉スキー場のゲレンデ上方では、7月中旬まで観られることも。ひとつのエリアのなかでこんなに長い間ホタルの鑑賞が楽しめる場所は本当に貴重なのだとか。

また、戸狩のホタルのもうひとつの魅力が、いわゆる「ホタル祭り」や「保存会」などで守られたホタルではなく、ありのままの自然環境のなかで生息するホタルだということ。近年は、初夏の風物詩として日本各地でホタルの保全への試みが行われていますが、遺伝的に異なる特性を持った他地域のホタルの増殖や放流による遺伝子汚染が問題になってもいます。その点、戸狩のホタルは、昔ながらの美しい里山の環境で育った、正真正銘「戸狩育ち」のホタルだと言えます。

さらに、ホタルの生育条件は、きれいな水だけでなく、広い飛翔空間や人口照明の少なさ、無風であること、苔や土手の土なども重要です。苔は産卵場所になり、土手の土には孵化した幼虫がもぐるためです。「昔はこの小川にもホタルがいた」と言われる場所は、水質汚染もありますが、土手がコンクリートで固められてしまったという場合もあるのです。また、幼虫の餌となるカワニナという巻貝が豊富に生息していることも不可欠です。これらの生育条件を満たす戸狩周辺は、清流に生息するゲンジボタルだけでなく、水田やため池に生息するヘイケボタルも同区域内で見ることができる珍しいエリアでもあります。

それぞれの民宿でホタルの観察会を開催

基本的にメスの方が大きいホタル。しかしながら、発光器はオスの方が大きく、数もメスはひとつしかないのに対し、オスはふたつあります。水辺を飛び回っているのはほとんどがオスで、メスは葉っぱの上に止まってオスの発光に応えて光ります。また、日本最大のホタルはゲンジボタルですが、他にもヘイケボタルをはじめ、国内には約40種のホタルが知られています。こういったまめ知識は、戸狩にある民宿で教えてもらったもの。
戸狩エリア内の各民宿では、それぞれにオリジナルのホタル鑑賞のプランが用意されており、たとえば、鑑賞に行く前に、宿でホタルの種類や食性、発光のメカニズムなどを知ることができたり、自然体験教室と絡めてプランニングをするなど、各宿ごとに趣向を凝らしたホタル鑑賞会を開催しています。

また、ひと言で「戸狩」といっても、範囲が広く、一体どこでホタルが多く観られるのかわからないもの。各民宿では、選りすぐりの鑑賞スポットに連れて行ってくれるので、地元民しか知らない、ディープな観察場所でゆっくりホタルの穏やかな光を眺めることができます。真っ暗な夜の里山も民宿からガイドが同行するので、安心。また、満点の星空も楽しむことができます。それに、ちょっと足をのばして、お隣り志賀高原のホタル群生地まで連れて行ってくれる宿も。アイデア満載の各宿のプランをお楽しみください。

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